幻影リダン型のドラゴンリンクと規制後のニビルアトラクター襲来について
この記事を読みに来てくださりありがとうございます。
長崎で展開系を主に使っているクルーシャと申します。
今回は、改定直後のタイミングで、エクリプスとアガーペインが禁止になってしまい、さらに《原始生命態ニビル》の登場により前期と比べて展開が追い詰められている状態ではありますが、使用した構築について話していきたいと思います。
次のような構成で話を進めていきます。
1.EP2019後のカードプール
2.10月規制後のドラゴンリンク
3.使用した構築
4.展開ルート
5.終わりに
1.EP2019後のカードプールについて
EXTRAPACK2019発売においては、未界域カードの来日が大きく注目を集めていました。海外では未界域(Danger!)を使った構築が様々な大会で結果を残しており、日本においても未界域を使用したFTKだったり、未界域守護サンダーなどが考えられたりと、デッキ構築する上で非常に楽しい時期でした。
TCGでは増殖するGがない関係上、展開系に対する抑止については重く見られており、2019年8月30日にTin缶にて《ディメンション・アトラクター》、《原始生命態ニビル》、《冥王結界波》が発売されたのですが、日本でわずか2週間あまりのEP収録に間に合わせたのは非常に驚きました。
また、《ノーマテリア》も登場しており、追加されたこれまでの手札誘発とは次元が違うパワーを持つカードがOCGでも登場してしまいました。
対展開系における《原始生命態ニビル》は最強で、このカードのパワーは高すぎます。
《原始生命態ニビル》
星11/光属性/岩石族/攻3000/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手が5体以上のモンスターの召喚・特殊召喚に成功したターンのメインフェイズに発動できる。
自分・相手フィールドの表側表示モンスターを全てリリースし、このカードを手札から特殊召喚する。
その後、相手フィールドに「原始生命態トークン」(岩石族・光・星11・攻/守?)1体を特殊召喚する。
このトークンの攻撃力・守備力は、この効果でリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値になる。
この効果は相手ターンでも発動できる。(遊戯王カードwikiより)
5体以上の召喚・特殊召喚をカウントし、条件を満たせば盤面を全てリリースされ壊滅状態にさせられます。唯一の慰めとしてはそれぞれ攻守の合計トークンがこちらに出てくることですが、悲しいことに守備表示で出されて次のターンにはどうせ死んでるので関係ないです。
このカードは9期以降環境に分布していた展開系に対する強力なゲーム介入性を持っており、ニビルへのケア方法が存在しない展開系は握ることができなくなったと言っても過言ではありません。
幸い、《召命の神弓-アポロウーサ》によりどの展開系デッキにおいても一応のケアみたいなものはできますが、ウーサ出した後にうららとか言われてもニビルの重ね打ちが怖すぎて、通さないと負け以外の時を除いて、ウーサの効果発動できないのがジレンマではあります。
このカードが最も恐ろしいのは後手捲りの時です。先攻制圧の際にニビルを発動されるのは、事前に考えているのですが、捲りの際にニビルを発動することができてしまいます。
なんで相手ターンのメインフェイズにのみ発動できるって書いてないの??
もう一枚のゲーム性に介入している誘発は《ディメンション・アトラクター》です。
10月改定では規制をされず、サンダードラゴンが環境に残っており、《ディメンション・アトラクター》の存在により電池メンが初動になったりと非常に強力な新規を手に入れました。
《ディメンション・アトラクター》
星6/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2200
(1):自分の墓地にカードが存在しない場合、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
次のターンの終了時まで、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。この効果は相手ターンでも発動できる。(遊戯王カードwikiより)
このカードは相手ターン中に手札から発動できるマクロコスモスです。
《アーティファクト-ロンギヌス》は除外できないでしたが、このカードは通常墓地へ行くカードを除外させることに加え、もう1ターン効果の制約がさらに続きます。
こちらのターン中に相手がアトラクターを発動した場合、返しのターンで【手札から墓地へ送って発動できる】手札誘発が撃てなくなります。
主要な誘発ですと《エフェクト・ヴェーラー》《増殖するG》《ドロール&ロックバード》でしょうか。ちなみに《ディメンション・アトラクター》も墓地に送って発動です。
このカードは墓地を使って展開するSPYRALやオルフェゴールを代表とするテーマに対して非常に強力な抑止力として働き、実質的なターンスキップを要求します。
さりげなく《サブテラーの妖魔》も効果を使えなくなります。覚えておくと羽箒をドヤ顔で撃てます。
また、《ノーマテリア》も強力な効果を持ってます。
《ノーマテリア》
星1/地属性/天使族/攻 0/守1000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにカードが存在せず、相手がモンスターの特殊召喚に成功した場合、このカードを手札から捨て、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターはリリースできず、融合・S・X・リンク召喚の素材にもできない。
こちらはセットすれば別に手札からでなくても発動できる《無限泡影》と異なり、初手に引き込めてないなら使いづらいカードではありますが、効果そのものは打ちどころが正しければ非常に強力です。
《外神ナイアルラ》が見えたら打ちましょう。
これらゲーム介入性の高い誘発の登場は、間接的に先攻ソリティアの抑止に非常に役立っており、今やロンギヌスやアトラクターのように先打ちが可能で、ウーサやアザトートを立てる前にその後の展開を通させないことも可能です。
そのため、デッキの構築においてもこれらのカードを考慮することが必要になってきています。具体的にそれらの誘発が効きづらい構築やプランを採用することが求められていると言えます。
また、各未界域モンスターや 《クロノダイバー・リダン》 などの強力なテーマ・カードも増えていることは間違いなく、中々面白いパックだったと思います。
皆さんも多々買われましたか?
2.10月規制後のドラゴンリンク
当然ですが、規制を受けてしまいました。
禁止を受けたのは《エクリプス・ワイバーン》、《守護竜アガーペイン》。
制限を受けたのは《輝白竜 ワイバースター》です。
《守護竜エルピィ》死ななかったし耐え
規制で受けたこれらのカードが無くなったことで後手捲りが弱体化しました。
また、誘発を受けたうえでハンデスへ向かえるほどの余裕もあまりありません。
《エクリプス・ワイバーン》は手札補充に大きく貢献し、先攻時の誘発を受けながらもガンブラーで全ハンデスを行うことを容易にしており、後手においては《混源龍レヴィオニア》《終焉龍 カオス・エンペラー》へアクセスを見せることで妨害を踏むポイントになったり、盤面に触りに行くカードを露骨に使いにいけることが非常に魅力でした。
関連して、《輝白竜 ワイバースター》も《暗黒竜 コラプサーペント》とコンビを組み、お手軽にss、1枚でリンク数2の働きをしつつ、後続確保(手札+1)まで果たす非常に有用なカードでした。
デッキの中身としてヴァレットの成分も多いため、《輝白竜 ワイバースター》・《暗黒竜 コラプサーペント》は規制を貰ってほしくなかったのですが、守護竜サンダーなど他方にも応用が効き出張性能も高かったため制限で妥当なのが悲しい所です。
《守護竜アガーペイン》は《えん魔竜 レッド・デーモン・アビス》に触ることでお手軽な1妨害、後手なら3200のライフカット要因を用意することができていました。
基本的に守護竜展開に繋がればアビスは用意できていたため、これによって守護竜リンクの役割が妨害を用意しつつも、手札リンク数を伸ばすことから、手札リンク数を伸ばすことだけしかできなくなってしまいました。
今までの展開系の中でも、ドラゴンリンクというデッキは一度盤面を更地にされてもレヴィオニア・エンペラー(セイファート)、テンペストのおかげで後続が残っており、盤面でまだ戦えるタイプのデッキであり、特にエクリプスを採用している型はロングゲームにおいても優秀なデッキでした。
まだその側面は残っているとはいえ、全体的なパワーダウンを受けてしまいました
ただ現状においても10月でこれらの規制を受けつつも、《原始生命態ニビル》のケアルートが存在しており、《アーティファクト-ロンギヌス》や《ディメンション・アトラクター》を受けてもターンスキップにならず盤面をある程度は作れること。
また、Gを先攻で受けたとしても、《天球の聖刻印》でリソースを確保しつつも容易な1バウンスができ、サンダードラゴン、ミラー、未界域、オルフェゴール、魔術師、HERO等に対する《天球の聖刻印》《守護竜エルピィ》から(もしくは召喚)の《コアキメイル・ドラゴ》は非常に優秀でそれだけでゲームが終わります。
これらから判断して、確かに弱体化しつつも展開デッキを使いたい人間からすると使うならドラゴンリンクかと思っています。
しかし、これからの環境のシェアでトップを走るであろうサンダードラゴンの《超雷龍-サンダー・ドラゴン》に対して、解答であるアビスとエンペラーを失っており、現状の構築のままであればメイン戦の後手を捲れる可能性が極めて小さくなってしまっています。フリーチェーンで発動されるカードを相手に持たれていると無理ですが、マグナストライカーがあるので対処手段はありはします。
ただこちらも先攻を取ればコアキメイルドラゴゲーなのでどっこいどっこいではあります。
3.使用した構築
YCS
— クルーシャ (@omnizone_omega) September 21, 2019
使用:幻影リダン型ドラゴンリンク
ジャックナイツ🎲◯ 先◯ 先◯
HERO🎲◯ 先◯ 後◯
カオスサンドラ🎲◯ 先◯ 後◯
転生炎獣🎲◯ 先◯ 後◯
イヴスタートで二ビルケアと、ヴァレットからラスティリダンに繋いで、ハンデスするの偉かったです。
幻影モンスター素引き神だった。 pic.twitter.com/eOBUETz3Xf
規制を受けて、目についた部分が、アガーペインとアビスの枠が空いており、まずその部分の減った妨害をどうすればよいか。そしてエクリプスが抜けることにより、手札補充手段が薄くなっており、誘発を超えた後手札が足らずハンデスへの到達が難しくなっていることです。
レヴィオニアに触るためには、墓地を経由してセイファートで回収する手段が必要になっています。
そのため、エクリプスがない現状、霊廟やおろかな埋葬は盤面にドラゴン族を用意する役割と共に、1ハンデスと交換になるカードとしての役割を持つため、積むべきだと思っていたのですが、当日早朝からドラクエウォークのために10kmほど歩いてたら時間がなくなってて枠を削り切れず無念ながら採用できなかったので、改善するならその部分だと思います。
現環境におけるドラゴンリンクの強みはニビルのケアルートを有していることにあると思っており、サイド後からはニビルケア展開のための《リンク・スパイダー》を入れて対策します。
サンダードラゴンやオルターガイストの台頭が予想される中、メインの誘発として《原始生命態ニビル》が採用されることは考えづらく、あったとしても展開系ミラーにおける抹殺用の1枚のみだと思ったため、メインにスパイダーを入れる必要はないと判断しています。
後の相違点として目につくのはメインの幻影4枚と《クロノダイバー・リダン》、《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》だと思います。
《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》は元々ヴァレットと非常に相性が良く、トレーサー+ドラゴンで生成が可能です。相方がドラゴンであれば混ぜて《ソーンヴァレル・ドラゴン》に変換し余りをラスティに混ぜ込むことができます。
そして、幻影ギミックにより、罠モンスターレベル4である《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》にアクセスが可能です。
それに伴い、闇ランク4で優秀な妨害効果を持っている《クロノダイバー・リダン》と共に合わせて採用が可能であり、ラスティからリダンに繋ぐことは《ヴァレット・トレーサー》の効果使用後でも問題なく活用することができ、相性がいいギミックだと以前から思っていたこともあり今回使用しました。
《クロノダイバー・リダン》ランク4/闇属性/サイキック族/攻2400/守2000
レベル4モンスター×2
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のスタンバイフェイズに発動できる。
相手のデッキの一番上のカードをこのカードの下に重ねてX素材とする。
(2):自分・相手ターンに発動できる。
このカードのX素材を3種類(モンスター・魔法・罠)まで取り除く。
その後、以下を適用する。
●モンスター:このカードをエンドフェイズまで除外する。
●魔法:自分はデッキから1枚ドローする。
●罠:相手フィールドの表側表示のカード1枚を選んで持ち主のデッキの一番上に戻す。
ブーツ1枚ブリガン1枚(or2枚)のみであれば、ブリガンダインを素引き=ラスティへのアクセスが不要となりますし、逆は手札コストでサーチができます。ただ、ブーツダスティ込みの3枚か4枚であればガンブラーのコストとしても活用することが可能です。
実践を通して幻影の枚数についても最適化を進めていけるポイントだという感想です。正直、幻影については、事前考察が足りなかったです。
今回の構築では、幻影の採用に伴い、おろかな埋葬にも手札を増やす役割が生まれており、ローブを落とすとコストをかさましできます。
エクリプスがない状態での5ハンデス(イヴ用の初動2枚+手札コスト1)は、セイファートから白黒へのアクセス、そして使用までが前提となっている関係上、パーツをどれか引くだけで手札コスト分が目減りします。
手札の中に、テンペストやアブソル―ター、レヴィオニアがあれば+してサベージが成立したりもできますが、アビスがおらず5ハンデスにおいては天球のバウンス効果しか相手への妨害がなく、相手の召喚権(打ちどころはデッキによる)に天球を使うだけでは盤面のパワーが低いと思っていました。
幻影ギミックのカード素引きによって、上記の盤面に+して上振れリダンの成立確率の向上とイヴ展開からの動きの強化で先攻妨害は良い感触です。
ちなみに霧剣を入れるメリットとしては、ウーサスタートにおける、相手ターンのガンブラー起動を墓地霧剣効果でラスティを蘇生することで起動できます。ラスティの打点でライフを詰めに行く手助けにもなります。ただ事故との兼ね合いがあります。
また相性の良い他のギミック見つけられたら試していきたいです。
個人的にはマスカレーナユニコーンもなかなか良さそうだと思っています。EXの枠の中に自然とバックや盤面に触りに行けるカードを採用できますので。現在の構築には《トロイメア・フェニックス》が採用されておらず、そこも改善点です。
4.展開ルート
基本的に目指す展開ルートとして、メイン一本目は5ハンデスもしくは4ハンデスサベージリダンを目標にしていました。
今後の未界域テーマのシェアの増加次第では、ガンブラーで一本目からハンデスも危険になってきており、例えばビックフッド+他の未界域モンスターを同時に捨てられるだけで、サベージがいても盤面に触られて厳しくなります。
サイド後はアポロウーサの成立を見せるところからスタートし、隕石を投げられてもリンクスパイダーの動きでケアを全力でしにかかります。
そのためアポロウーサはニビル専用のような扱い方をしないといけなくなり、ウーサがいる状態でモンスターの誘発を撃たれても重ね打ちでニビルを撃たれることを考えなければなりません。
アポロウーサスタートでの展開は基本的に3ウーサの作成後、4ハンデスサベージor2ハンデスサベージリダンを目標にしていきます。
あくまで、展開の代表例ですが、展開の中でヴァレットレベル4モンスターを使用しているパターンでの展開ルートを紹介します。
一本目の場合
初手:イヴになるカード+コスト3枚
盤面:4ハンデス+天球(相手のカードバウンス分の手札アリ)+サベージ+リダン
or
盤面:4ハンデス+天球(自分のカードバウンス)+サベージ+リダン+霧剣
記事用① pic.twitter.com/mrNIg3Ir9D
— クルーシャ (@omnizone_omega) September 22, 2019
ウーサスタートの場合
初手:イヴになるカード+コスト3枚
盤面:2ハンデス+3ウーサ+サベージ+リダン
or
盤面:4ハンデス+3ウーサ+サベージorリダン
記事用② pic.twitter.com/HplaqMGIkG
— クルーシャ (@omnizone_omega) September 22, 2019
このウーサの展開パターンではハリファイバーの効果で出すモンスターをうららにしておくと、4ハンデスリダンの盤面になります。または4ハンデスサベージです。前者の場合はトレーサーで相手ターンにヴァレットシンクロンをリクルートしてガンブラーを起動します。後者の場合はブリガンダインでガンブラーを起動します。
また別の話にはなりますが、妨害として霧剣を使用する場合自分の霧剣をはがす手段は①リダンのフィールドバウンス効果②トレーサーで霧剣を対象に効果発動する③レヴィオニアの破壊効果、になるので、少なくともリダンかトレーサーがいる状態でなら妨害としてカウントできます。
5.終わりに
ここまでお読みくださりありがとうございました。
メインの枚数や、幻影の枚数、霊廟、おろかな埋葬の採用などはまだまだ考えないといけないですが、粗削りながら、新しいタイプのドラゴンリンクを試してみようと構築してみました。
規制後の立ち位置としては、残念ながら、パワーダウンについてはアガーペインから出すアビスやソードが強力だっただけに隠し切れないものとなっています。そのためシェアは確実に落ちると予想されますが、tier1.5くらいに収まってくれるのではないかと思っています。
ドラゴンリンクのパワーダウンによって、環境が変わっていく中で、未界域オルフェやSPYRALとシェアを食い合う形にはなると思いますが、まだまだ戦っていける構築にしてあげたいと思っています。
自分が展開系大好きなこともあって、ドラゴンリンクのようにニビルアトラクターが登場してもターンスキップされることなく使える展開デッキがあれば、今期もぜひ展開デッキで戦っていきたいです。